オステオパシーはアメリカで生まれたメディカル系手技療法(※注)ではありますが、オステオパシーの知識や技術も美容目的に転用することも可能です。
(※)アメリカではオステオパシー医学と呼ばれています。オステオパシーの創始者A.T.Still M.D.は手技療法のみで医学的に有意な効果を出すオステオパシー医学を目指しました。スティル医師は薬を使わず、それ以上の効果を出そうと考えていました。例えば肺炎に対しても肋骨や胸椎、頚椎、その他の操作で体が自然に治すように仕向ける手法を考案しました。同様に頭痛、生理痛、便秘など、現代医学では神経内科、婦人科、内科に相当するような病気にもオステオパシー手技療法は有効であると語っていました。
オステオパシーの医学的知識をフル活用する事により健康度が増せば、それが美容面の向上と相反するはずがありません。
基本的に、美容、つまり美肌や美顔を考えるなら、
- 食べ物と良質の水
- 睡眠
- 心理状態や他者との関係性
- 適度な運動
- 内臓の状態
- 頭蓋骨の状態
- 脳の元気度
等がとても重要になってきます。
まず、食べ物は人間にとって最も重要です。
一般によく言われているように、食べ物の質、食べる時間、量、よく噛む事などは重要です。
バランスの良い食事内容は重要です。バランスの良い食事とは、自分の意見では、基本的には日本食は良いと思っています。そこに少し工夫をして十分な生野菜や果物、海藻、多すぎない量の肉や魚等のタンパク質、発酵食品、ミネラル類も重要。
炭水化物は少量は良いと思っています。無理に制限しすぎるのもどうかなと思っています。
無理な制限食はすべきではないと思っています。しかしきちんと科学的な裏付けや理由がある制限食を短期間行うなら良いと思いますが、長期に渡って何かを制限する方法は疑問があります。
例えば、半日断食だとか、3日間のリンゴダイエットなど。これらは軽い部類だし、安全な部類です。
そして、心穏やかな状態で食べる事。これもとても重要です。
怒りながら食べると、途端に交感神経が優位になり消化吸収に適さない状態になります。腸が反応し、人によってはガスが多くなったり、下痢になったりします。
精神状態は常に自律神経と密接に関わっています。怒りや悲しみ、不安などのマイナス感情で、心臓がドキドキと拍動を強め、胃が痛み、ガスが出、下痢又は便秘をし、睡眠が悪くなり、疲れが取れにくくなり、めまいがしたりもします。
普段から人を笑わせる習慣や、対人関係をよくする習慣を身につけましょう。
睡眠。これはとても重要です。可能であれば一日8〜9時間は睡眠を取るようにしましょう。眠れない人はオステオパシーなど手技療法をお試しください。
運動、これは適度に体内の余剰なエネルギーを消費する必要があります。肥満になるという事は食べる量に対して運動が足りていない事を示しています。
散歩、ジョギング、ヨガ、体幹トレーニング、軽い筋トレも良いでしょう。
自分は時々家から職場まで約20キロを自転車通勤し(ゆっくり行っても約1時間半)、家でダンベルを使って軽く運動しています。これで8kgくらい痩せました。
内臓。内臓は消化器や呼吸器、循環器などがありますが、どれも重要です。特に内臓の中でも腸や肝臓、腎臓、女性では子宮や卵巣(生理サイクルに非常に影響を受ける)の良し悪しも重要です。
皮膚の状態は特に腸の影響を受けます。便秘は大敵。毎日バナナ状の便が出ていますか?
呼吸器で言えば、呼吸法。
穏やかな深呼吸は精神状態を沈め、感情をコントロールする有効な手段です。ウオーキングや軽いジョギングで呼吸も深くなり軽く汗をかく事はとても良い事です。
頭蓋骨の状態は脳に影響し、脳の健康度が美容に影響する。
頭蓋骨の中に脳がありますが、脳は脳脊髄液という液体によって栄養され、水のクッションにより脳が守られています。体内のすべての液体は、停滞し淀む事なく流れ、あらゆる部位の液体が清浄な状態であるべきなのです。
オステオパシーの創始者アンドリュー・テイラー・スティルは
「身体のある部分の流れの悪さは淀みをおこし、淀みは発酵し腐敗する。オステオパシーの手技で体のあらゆる部位からの排泄を手伝う必要がある。」
と述べています。
脳に栄養を与えている脳脊髄液の流れを良くする手法、それが「頭蓋オステオパシー」です。
頭蓋骨は硬くて動かないと思われがちですが、実は脳脊髄液の増減によって頭蓋骨の形や大きさも変化させられるとオステオパシーでは考えます。その流れを良好な状態にする事は、脳や神経系への栄養に大きく影響し、身体全体の健康度に非常に影響します。
この頭蓋骨の調整だけは、自分ではやりにくいものだと思います。これは地域のオステオパシー治療院を探し、受けてみてください。
脳脊髄液の流れが良くなり、脳に新鮮な栄養が行き渡ると、脳が元気になります。その結果、眼の輝きが増します。目は脳の一部だからです。
オステオパシーは筋骨格系や自律神経に働きかけ、皆様の美容問題を解消します。
このように、オステオパシーで体を調整することによって、美容のニーズにも答えることができます。
人間はやはり美容に気をつけ、人に綺麗に見られたいしカッコ良く思われたいものです。それが社会を営む人間の自然な感情です。
今まで、美容に必要なものは食事、睡眠、運動、排泄、人間関係などはよく知られていました。
一番見落とされてきたもの、それが頭蓋骨の調整と脳の活性化です。その部分はオステオパシーが最も得意とする分野です。
脳が元気になると、体調が良くなり、頭がスッキリし、自律神経が依然よく安定し、小さなことにクヨクヨしにくくなり、人に寛大になれるようになり人間関係も良くなり、目力が増しイキイキとした表情になり、より自信を持って生きられるようになります。
私は障害を持った方たちも助けてきましたが、同時に一般の社会人、学生、高齢者、第一線で働く方達のサポートもしてきました。
より良い社会の実現に向け、オステオパシーで貢献していきたいと願っています。